2012年5月13日日曜日

ナイジェリアの地政学的意味 (1) IMFの悪事?? - 始源流Blog


アフリカをどうするのか?  とても優れた考察である。大手マスコミの記者でもここまでは書けまい。

 

23年中の覚醒剤密輸入186件 平成で最多 ナイジェリア人が黒幕的に関与

 

2012.3.1 10:45   産経

 

 全国の警察本部が平成23年中に検挙した覚醒剤の密輸入事件は、前年比40・9%増の186件で、平成に入ってから過去最多だったことが1日、警察庁のまとめで分かった。密輸入事件のうち、約8割に当たる151件は航空機を利用してスーツケースなどに覚醒剤を隠して密輸入する「運び屋」によるものだった。

 

 検挙された運び屋は11月末までで131人。このうち73人はスーツケースを二重底に工作するなどして隠匿していたほか、38人はラップに包み込むなどして飲み込んでいた。

 

 また、運び屋の約2割に当たる27人について捜査した結果、ナイジェリア人が依頼人や荷受け人といった形で黒幕的に関与していることも判明した。

 

 覚醒剤の検挙者は同1・1%減の1万1858人と微減だった。年齢層別では10万人当たりの検挙者数が40歳代で20・6人(前年=20・1人)と最多となっており、中年層の増加傾向が続いている

 

 インターネットの掲示板に覚醒剤といった違法薬物の密売広告などを書き込んでいた薬物密売事件の検挙は同12件増の31件。サイトに書き込むなどしていた55人と、薬物を購入した83人を検挙したほか、捜査過程で約790人が薬物を購入していた疑いが判明し、警察庁では「薬物購入の安易なインフラであるインターネット利用による薬物乱用の拡大が懸念される」と指摘、今後も末端乱用者の検挙を徹底する方針だ。

 

 一方、銃器発砲事件は同10件増の45件、死者数は同3人減の8人、負傷者数は4人増の10人だった。暴力団によるものとみられる発砲事件は同15件増の32件と大きく増加し、このうち9件は福岡県の道仁会と九州誠道会の抗争に起因するものだった。

 

From  徽宗皇帝

 

「西欧文明の精神」について


「さてはてメモ帳」から転載。


記事を保存したのは少し前だが、どうコメントしていいか迷っていた。ナイジェリアという国に興味の無い人間がほとんどだろうが、しかし、ここで行われていることは欧米による帝国主義的搾取の一典型であるだろうから、知っておく価値はある。

 

20年以上も前、私が社会的問題について少し興味を持ち出したころに、一番疑問に思ったのが、

 


チーフprichettは誰だった

「アフリカは、なぜいつまでも貧困状態のままなのか」

 

ということだった。


(以下引用)

 

ナイジェリアの地政学的意味(その1)IMFの奇妙な役割 F・ウィリアム・イングドール

tamekiyo.com/documents/W_Engdahl/nigeria.html より

 

掲載2012年2月15日

 

訳者メモ

 

ナイジェリアは、豊富な石油資源がありながら、ガソリンを輸入している。

 

国民の大部分は困窮し、失業している。どうしてかは、実に単純な構造なので、読んでいただければわかる。

 

無知・無関心な大衆と、一部の腐敗した人間がいれば、こんなバカげた支配でも容易に実現できる。ナイジェリアほどわかりやすくはないが、日本も似たようなもので、よそ事ではない。

 

ペルシャ湾にはアメリカの引退直前の原子力空母エンタープライズが配備され、「イランの攻撃」という形で低コストで廃棄処分する準備を整えているようだ(原子力空母エンタープライズの艦長が作成・放映したビデオが問題化というスキャンダルも、リリースのタイミングからして何かシンボル操作的な意味があるのだろう)。

 

石油価格を操られると、簡単にパニックになるのは日本も同じであり、近い将来ありうることとして読んでおくべきだろう。

 

大部分の原発が停止している中、石油価格が上昇すれば、電気料金もはねあがる。それでソーラーパネルがますます売れるという算段だろうか。あるいは、アメリカではスリーマイル島の事故以来、凍結されていた原子力開発が再開されたそうだが、新型の原子力発電でも売り込んでくるのだろうか。


ナイジェリアの地政学的意味(その1)

IMFの奇妙な役割

 

 F・ウィリアム・イングドール January 27, 2012

 

さまざまな徴候からして、アフリカ最大の人口、最大の産油国であるナイジェリアは、計画的に混沌・内戦状態に投げこまれていることがわかる

 

グッドラック・ジョナサン政権がガソリンなど輸入燃料に対する補助金を突如として打ち切る決定をしたことは驚きであったが

 

〔ナイジェリアは産油国だが、精製施設がないので燃料を輸入している〕

 


スノコルミー滝ディーゼル列車

、これには単なる金権腐敗をはるかに超えた邪悪な背景があり、そこではワシントンを拠点とする国際通貨基金(IMF)が鍵となる役割を果たしている。

 

これで損害をこうむるのは、ナイジェリア国民だけでなく、中国のようだ。

 

政府によるガソリンなど燃料の補助金の突然の廃止に抗議した最近のストライキにより、ナイジェリアは一時行き詰まり状態になったが、これは多くの国民にとって思いがけないことだった。

 

何ヵ月か前にジョナサン大統領は、経済的な負担を軽減するため、4段階で徐々に補助金を廃止していく方針を、主要な労働組合と約束していた。

 

だが、それにもかかわらず、ジョナサン大統領は、事前警告もなく、2012年1月1日発効で補助金を即時に全廃すると発表したのである。「ショック療法」と表現するだけでは済まない内容だ。

 

現在、ナイジェリアは、リビアやイギリス北海油田と同等の高品質の原油(ライト・スイート油)の生産国としては世界で最重要の国の一つである。

 

また、ナイジェリアは、深刻な混乱へと下降スパイラルで落ち込んでいることが、さまざまな徴候からうかがえる。

 

ナイジェリアは、米国にとって5番目の石油輸入先であり、世界的にもクウェートと並び第12位の産油国で、日量200万バレルを超えるベネズエラに迫る規模である。[1]


IMFの補助金廃止要求の絶妙なタイミング

 

豊富な石油資源にもかかわらず、ナイジェリアはアフリカ最貧国の一つにとどまっている。

 

既知の油田は、およそポートハーコートから首都ラゴスの方角に伸びた広大なニジェール・デルタのあたりに集中しており、大規模な新規油田はすべて石油資源の豊富なギニア湾沿いに開発されている。

 

ナイジェリアの石油の大半は、英米の大手石油企業(シェル、モービル、シェブロン、テキサコ)が採掘し、輸出している。

 

イタリアのAgipも進出している。また最近では当然のことながら、中国の国営石油会社がナイジェリア政府と大規模な採掘・石油インフラについて合意を模索している。

 

皮肉なことに、ナイジェリアは輸出でドル収入を得て国内インフラを整備するために十分な石油資源がありながらも、政府はわざと国内の石油精製施設を荒廃するに任せる政策をとってきた。

 


イラクの砂漠イギリス軍の割合

その結果、豊富に石油がありながらも、輸送など産業を動かすために利用するガソリン他の大部分の石油精製物を輸入に頼っている。

 

そして、ガソリンなど高価な精製燃料の輸入コストから国民を保護するため、中央政府は補助金を出していた。

 

2012年1月1日まではそうだった。だが、その日、事前警告もなく、ジョナサン大統領はあらゆる燃料補助金を即刻廃止する発表をしたのである。

 

ガソリン価格は、1リットル65ナイラ(35セント)から150ナイラ(93セント)へと、すぐに3倍近くはね上がった。その衝撃は、穀物や野菜の価格にいたるまで、経済全体に波紋を起こした。[2]

 

この措置を正当化するため、中央銀行総裁のLamido Sanusiは

 

「資金はナイジェリア国民の利益になる社会的アメニティの提供やインフラ整備に活用され、国を経済的な亀裂から救うことに使われる」

 

と主張している。[3] ジョナサン大統領は、「ナイジェリア政府の浄化」の一環として補助金を段階的に廃止していると述べている。それが本当ならば、どのように進めるつもりなのか、実に不明瞭だ。

 

想定外の燃料価格の大幅上昇に、全国的な抗議運動が発生し、1月中旬には経済を停止させるほどの脅威となった。大統領は、部分的に価格を戻す発表をして、手際よく抗議者たちの出鼻をくじいたが、それでも昨年12月の倍の価格のままである。

 

それからすぐに労働組合の連盟が抗議を中止するよう呼びかけると、露骨なことに、ジョナサンの政府は、軍に命令して「秩序の維持」のため街頭に向かわせ、事実上、新たな抗議運動を阻止した。

 

こうした一連の出来事は、極端な混乱状態をつくりだしているテロリストのボコ・ハラム〔イスラム過激派〕による爆弾と殺人の暴虐が最も高まった時期に起きていた。[4]


IMFの悪事の決定的な証拠

 

この動揺について世界的にさまざまな報告がなされているが、そこで埋没しているのは米国の支配下にあるIMFが果たした露骨な役割である。

 

ジョナサン大統領が補助金について突然の決断をする数日前という疑わしいタイミングで、IMFのクリスティーヌ・ラガルド専務理事〔セックス・スキャンダルで辞任したストロスカーンの後任〕はナイジェリアに滞在していた。

 


[5] 誰しも言っているが、今回、IMFとナイジェリア政府は、補助金の廃止要請を公表するに当たり、露骨にならないように注意していた(チュニジアでは食料抗議を招き、2011年のTwitter反乱のきっかけとなった)。

 

ナイジェリア訪問中にラガルドは、ジョナサン大統領の規制撤廃に向けた「変革計画」は、「ナイジェリア人によるナイジェリア人のための計画であり、IMFはサポートするためにここにいるし、ナイジェリア人にとって良いパートナー」だと述べた。[6] 

 

それで納得したナイジェリア人はほとんどいなかった。

 

12月29日にロイターは

 

「IMFは、西アフリカと中央アフリカの諸国に、燃料補助金を削減するように急かしている。貧困者の救済に直接向かうものではなく、腐敗と密輸を促がしているからという理由だ。過去数ヶ月に、ナイジェリア、ギニア、カメルーン、チャドの各政府が燃料補助金の削減に踏み切っている」

 

と報じている。[7]

 

ナイジェリア政府に米国とIMFの圧力がかかっていたことを示す更なる証拠として、ジェフリー・サックス(国連事務総長の特別補佐官)は、今回の補助金の決定した直後の1月初めにナイジェリアでジョナサン大統領と会ったときに、大統領の決断は「勇敢で正しい政策」だと述べている。[8] 

 

元ハーバード大学経済学教授のサックスは、1990年代前半にIMFの「ショック療法」をポーランド、ロシア、ウクライナなど旧共産圏の諸国に処方したことで悪名高くなった。

 

これらの諸国は、ドル資金の豊富な西側多国籍企業による事実上の略奪のために貴重な国の資産を開放した。[9]



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